ISO感度のオールナイトニッポン

ISO感度のだましうち!

ISO感度がビッグシティ東京で感じた事を語り、紡ぎ、一本の糸にし、それでセーターを編んでいくポカポカブログ!

【前編】UT-virtualが100億円の負債を背負い崩壊するとどうなるか、法的に検証してみた

 

この記事はUT-virtual Advent Calendar 2020の1日目の記事として作成しました。

はじめに

1日目から物騒な記事ですみません。

どーも。ISO感度です。現在法学部で3年生をしております。

最近僕は、来年の公務員試験に向けて法律をイチから叩き込み直しています。

大学の授業でも法律は勉強しているはずなのですが、いつもその場凌ぎで単位を必死に取りにいくスタイルでここまで生き延びてきたので、法学的素養を自身の血肉とするには到底及んでいませんでした。典型的ダメ大学生ですね。

しかし、公務員試験に受かるという目標ができた以上、適当に勉強をしたのでは済まされない。

そこで今回は、法律のケース・スタディということも兼ねて、UT-virtualに実際に起こりうる事例を、作り話を題材に(重要)、法的に考えていきたいと思います!Advent Calendarも埋まって自分の勉強にもなるから一石二鳥だね!(なおプログラミングの記事では無い模y)

(免責事項: 当方あくまで法律勉強中の身ですので、内容には間違い等入っている可能性があります。許してね)

  

検討する課題

それでは今回検討する課題に参りましょう。こちら!

UT-virtualが100億円の負債を背負い崩壊するとどうなるか

いや〜ありますねえ。ありますあります。あるあるです。サークルあるある。
あるあるなのに、みんなホントに起こるとどうなるか、多分真剣に考えたことが無いですよね。かく言う私もそうですと。これは良くない。
絶対に、有事に備えて想定しておいたほうが良いですよ。

こちらを、とある架空のサークル「UT-yirtual(ゆーてぃー やーちゃる)」をモデルに検討していきたいと思います!あくまでフィクションですよ、フィクション。

なお、想定以上に筆に熱がこもり長くなってしまったので、この【前編】では事案説明を、【後編】では実際に法律解説を行います。

前後編合わせると6500字を超えるので、かなり長くなってしまったなぁと反省しています。

なるべくテンポ良く読めるようには心がけたので、是非最後までお読み下さい!

この記事を読むと得られるメリット

  • 大学サークルが100億円の負債を抱えた時の状況を追体験できる。
  • その際、法律的にはどのような処理がなされるかを知ることができる(もう知っている人にとってはつまらないだろうので先にネタバラシをしますが、権利能力なき社団が問題となります)。
  • 法律が実際に運用されるケースを見るのでちょっと法律に詳しくなった気持ちになれる。
  • 実際に自分のサークルが100億の負債を抱えたときの参考になる。

事案説明

これは、本当にあるかもしれない怖い話――

 

ハジマリ

20XX年、東京大学VRサークルとして活動しているUT-yirtual(ゆーてぃー やーちゃる)。その活動は順風満帆。

部員も80人以上を抱え、大学サークルの中でも特に大きな規模を誇ります。

組織運営も安定して行われ、部費や会社からの協賛などにより、大学のサークルとしては潤沢な資金と設備を備えています。

 

学園祭で大博打 

そんなUT-yirtual、次の学園祭で大博打に出ます。

 

代表「次の学園祭では、日本VRを作ろう!!」

 部員「に、日本VR!?」

 代表「そうだ!日本を全てVR化して、どこにでも行けるようになる作品を作る!絶対にバズって大儲けだ!」

 部員「で、でも、どこにそんな技術力が…」

代表「まずアセットを特注でgoggle(ゴーグル)に作らせる!そしてgoggleの技術者を招聘してアドバイザーとして開発を手伝ってもらう!UT-yirtualの資金、設備、全てを投げうってでも実現させるぞ!」

部員「代表がそこまで言うなら、やるか…」

 

予算 100億円

こうして代表の鶴の一声で始まった日本VR開発。世界トップ企業goggle(ゴーグル)に特注するのは安くありません。予算は100億円と試算されました。

 

部員「100億円なんて金どこから用意するんだよ…」

代表「心配はいらない!自分の知り合いにいつでも融資してくれる銀行マンがいるから、そいつに頼み込む!」

部員(学園祭で100億なんて回収できねぇよ…)

 

 いざ銀行へ

そういって代表は知り合いの銀行マンに融資をお願いに行きました。

 

代表「日本VRというのを作ってだな、学園祭で大儲けするつもりなんだ。頼む!100億融資してくれ!」

銀行マン「代表の頼みとなっちゃぁ断れねぇ。融資してやるよ。それで、契約先はどこにすれば良いんだい?」

代表「UT-yirtualで頼む。UT-yirtual名義の銀行口座も持っているから、そこに振り込んでくれ。」

銀行マン「了解した。任せとけ。」

 

こうして無事、融資が成立。UT-yirtualの口座に100億円が振り込まれ、その100億円を全て日本VRの開発に投資し、開発は順調に進みました。

 

 学園祭当日

そして学園祭当日。

代表「おい!どうして全然客が来ねぇんだ!おかしいだろ!!全く売れねぇぞ!」

部員「そりゃ、一回100万円もする展示誰もやんねぇだろ!!!!」

代表「おいおいやばいぞ!このままだと100億円が回収できねぇ!!」

部員「当たり前だろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

当たり前だろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ

当たり前だろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ

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日本VRは確かに超ハイクオリティな展示でしたが、一回100万円という法外なプレイ料金から、一人も客が来ることなく学園祭を終えてしまいました。

 

100億の負債

さて、こうなってくると大変なのはお金です。100億円を全く回収できることなく学園祭を終えてしまいました。

代表「銀行口座はすっからかん。機材を全部売り払っても100億円には到底届かない…」

代表「部員たちも今回の結果に失望して、完全に気力を失っている…」

代表「崩壊だ…」

 

こうして、かつて栄華を誇ったUT-yirtualは、 100億円の負債を抱えてしまい、部員たちの精神は崩壊しましたとさ。

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めでたくなしめでたくなし。
 

 

 

問.

この100億円の負債は、誰が負担すれば良いでしょう?

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テーッテッテッテッテッテテー…

テーッテッテッテッテッテテー…

後編へ続く…